水準器の原理は、円形のガラス容器の中にアルコールやエーテルなどの液体を入れ、表面に気泡を残したものです。
角度の変化によって気泡が変位(移動)し、その気泡の位置を見ることによって水平や傾斜が分かります。
被測定物に水準器を置き、それが水平のときには気泡が中心にあります。水準器を同じ場所で180°反転させて置いても気泡は中心にあります。
被測定物の右側が高いときには、水準器の気泡が右側に移動します。気泡位置を読み取ることでその傾斜が分かります。
被測定物の左側が高いときには、水準器の気泡が左側に移動します。気泡位置を読み取ることでその傾斜が分かります。
精密水準器は、気泡管を鋳鉄製などのベースに組み込んだものです。
底面(角形は底面、上面、両側面)はミクロン単位でラッピング仕上げを施し、底面はV溝がありパイプなど円筒形の物の上に載せて使うこともできます。
本体には調整ネジを備えており、ネジを操作することで気泡の位置を調整することが出来ます。
平形水準器は、底面を測定面とし、水平面傾斜測定に使用します。底面にはV溝があります。
角形水準器は、底面、上面、両側面の4面を測定面とし、水平面及び鉛直面傾斜測定に使用します。底面、上面、左側面に V溝があり、右側面はフラットになっています。
水準器の感度は、傾斜角とガラス管の曲率半径をもとにして1目盛あたりの感度を表し、気泡管の気泡を1目盛変位(移動)させるのに必要な傾斜を、底面1000mm(=1m)に対する高さ(mm)、または角度で表すものです。本体サイズが異なっても、精密水準器の感度表示は全て1000mm(1m)あたりの感度となっています。
例えば、感度0.02mm/mの水準器は、1000mm(1m)に対し0.02mmの高さの変位を測定できます。製品には1DIV=0.02mm/Mなどと表記され、1DIVは1目盛あたりの感度を表します。すなわち、1目盛気泡が移動すると、0.02mm/mの高さの変位が分かるということです。
下図のように、被測定物に水準器(感度0.05mm/m)を置き、気泡が右側に1目盛分移動したとき、被測定物の右側が1000mm(1m)に対し0.05mm高くなっています。
この場合、水準器本体の200mmの長さでは、1/5となるので、200mmに対し0.01mm高くなります。
一般的な機械設置や定盤などのレベル出しなどに水準器を使用する場合、サイズ200mm×感度0.05mm/mのものが手頃で使いやすいです。